「何しに出てきた?」下村博文氏に落胆の声 裏金の「暴露」なかった政倫審、真相遠く「口裏合わせですか」(東京新聞TOKYOweb)
自民党派閥パーティーの裏金事件を受け、18日の衆院政治倫理審査会(政倫審)に出席した下村博文元文部科学相は、裏金の実態について「知らない」「分からない」を連発した。

衆院政治倫理審査会で鼻をぬぐう下村博文元文部科学相=18日、国会内で(代表撮影)
安倍派の有力議員「5人衆」と距離があることから「何か暴露するのでは」と注目が集まっていたが、肩透かしに終わった。
「政倫審に出たっていう事実を作りたかっただけ」、「1ミリほど期待していたがやっぱりダメだな」など、X(旧Twitter)上では落胆の声が飛び交った。(デジタル編集部)
◆「説明責任果たしたい」と言っていたのに
下村氏は安倍晋三元首相の側近として知られたが、2022年7月に安倍氏が死去した後は派閥の「集団指導体制」から外れていた。派閥運営の中心は、長年派閥会長を務めた森喜朗元首相に近いとされる5人衆が握った。
3月4日、下村氏は自身のXに「今後政倫審が開催されるのであれば、党と相談して説明責任を果たしていきたい」と投稿。政倫審で「何かを暴露するかもしれない」(自民中堅)など、発言内容が注目されていた。
だが、18日の衆院政倫審で、下村氏は多くを語らなかった。
各党の議員が、パーティー券販売のノルマ超過分のキックバック(還流)がいつから始まったのかや、森元首相の派閥への影響力、2022年8月に安倍派幹部が還流を議題にした協議の内容などを質問したものの、下村氏は「承知していない」や「わからない」など、あいまいな答弁を繰り返した。
◆証言の食い違い、解消せず
衆参の政倫審での安倍派幹部の証言には食い違いがある。

衆院政治倫理審査会で弁明する下村博文元文科相=18日、国会で(代表撮影)
幹部らの説明によると、当時派閥会長だった安倍晋三氏の意向で2022年4月、還流中止の方向性が話し合われたのに、その3カ月後に安倍氏が死去すると一転、還流中止の撤回が決まった。
政倫審では、塩谷立氏が、2022年8月の会合で還流の継続が決まったと説明した一方、西村康稔氏はこの会合では結論は出なかったと語った。
下村氏もこの会合に出席していたが、政倫審では踏み込んだ説明をしなかった。
2024年3月18日東京新聞TOKYOweb掲載記事より
https://www.tokyo-np.co.jp/article/315878